【出版社】5 Continents 2019年
【装丁】Softcover(ソフトカバー)
【ページ】144 pages with col. illus.
【サイズ】25.5 x 20.5 cm
【状態】A: Like New
本書は「Art Brut: The Collection」シリーズであり、アール・ブリュット・ビエンナーレ第4回開催にあわせて刊行されました。今回のテーマは「演劇」です。
これまでの巻では建築、乗り物、身体が取り上げられてきましたが、本書では演劇を多面的に展開します。最も単純な例としては、オイゲン・ガブリチェフスキーやヴィクトリアン・サルドゥによる劇場建築の描写があります。しかし、他の作家たちは、必ずしも舞台芸術の一部であるわけではないものの、演劇的な世界と密接に結びついた作品を制作しています。たとえばジョヴァンニ・バッティスタ・ポデスタやヴァハン・ポラディアンにとって、公的な舞台とは、自らの存在を社会の周縁に追いやる現実に対して応答する“パフォーマンス”の場であるのです。
彼らの本質的に一時的なアプローチは、衣服やアクセサリーをコミュニケーション手段として用い、自らの声や抗議を可視化する試みとも言えるでしょう。また、アロイーズ・コルバやマルグリット・ビュルナ=プロヴァンのように、空想的・幻想的世界を壮大な舞台装置として表現し、宇宙全体を一つの“劇場”として構想する作家もいます(アロイーズの作品は「宇宙の劇場」、ビュルナ=プロヴァンのグラフィック作品《Ma Ville》など)。
本書には、初公開となる多数の作品を含む100点以上の図版を収録。アール・ブリュット(アウトサイダー・アート)における「演劇」というテーマを多角的に探求できる一冊となっています。