【Photographs by】Greg Girard(グレッグ・ジラード)
【With a conversation between】Greg Girard and Kyoichi Tsuzuki(都築響一)
【出版社】Kominek books 2025年
【装丁】Hardcover(ハードカバー)
【ページ】276 pages with col. illus.
【サイズ】23 x 28.6 cm
【状態】A: New
Snack Sakura――日本のスナックを巡る旅
日本をご存知の方なら、「スナック」と呼ばれる独特の飲み屋を見かけたことがあるでしょう。
スナックは全国どこにでもあり、大都市から小さな町まで広く分布しています。典型的なスナックは、カウンターと数脚のスツール、あっても数席のボックス席程度の小さな空間で、たいていは中年女性の「ママ」か、稀に男性の「マスター」が店を切り盛りしています。
客層は常連が多く、通常のバーのように初めての客がふらっと入って座るというわけにはいきません。新規客はまず「入ってもいいですか?」とママに声をかけるのが礼儀です。
メニューは簡素で、いわゆる「エンターテイメント」といえば、ママや他の客との会話、そしてカラオケくらい。筆者がこの文章を書いている時点では、スナックは日本でもっとも「おしゃれではない」飲み屋のひとつと見なされています。
『Snack Sakura』は、この決して「隠された」世界ではないけれど、特定の視点で見つめなければなかなか見えてこない、日本のスナック文化の一端を紹介する一冊です。
数年前、日本を旅していたとき、どの町にも「スナックさくら」という名前の店があることに気づきました。さくら(桜)という言葉は、あまりにもポピュラーで、商店の名前としてはどこか凡庸にすら感じられます。しかし、その少し野暮ったいネーミングこそが、スナックという存在の「流行から外れた」感じと妙に合っているように思えました。本当にどの町にもあるのだろうか?――そう思い、全日本スナック連盟に問い合わせてみると、確かに「スナックさくら」は加盟店の中でも最も多い店名であると教えてくれました。そこで私は、沖縄から北海道まで、全国の「スナックさくら」を訪れ、写真に収める旅に出ることにしたのです。
最初は、偶然「スナックさくら」を見つけては立ち寄っていました。しかし本格的に探し始めると、これが案外難しい。電話番号もウェブサイトも持たない店が多く、調べて訪ねてみたら、名前が変わっていたり、建物ごとなくなっていたり、すでに閉店して再開されていなかったり――。それでも少しずつ手がかりを得て、前に進むことができました。そして6年かけて、日本全国47都道府県のうち半分以上で「スナックさくら」を撮影することができました。









