【Artist】Raphael Barontini（ラファエル・バロンティーニ）
【出版社】RVB Books 2021年
【装丁】Softcover, Slipcase（ソフトカバー, スリップケース）
【ページ】152 pages with col. illus.
【サイズ】32 x 22 cm
【状態】A: New
過去数年、バロンティーニは黒人の歴史における顔や身体を絵画的、詩的、政治的に可視化しようと努めてきた。この目的のために、彼は世界中の図像、より具体的には18世紀の図像を探求している。国の文脈では重要視されていない象徴的な人々や無名の人物たちに敬意を表しながら、バロンティーニはヨーロッパのブルジョワジーやアフリカの王室の宮廷から、一般的なイメージや民族誌や人類学のアーカイブに至るまで様々なイメージを領域横断的に取り扱う。
バロンティーニは「LVMHメティエダール（LVMH Métiers d’Art）」が主宰するアーティスト・イン・レジデンス・ プログラムに選出された5人目のアーティストとして、2020年にシンガポールのクロコダイルレザー専門のタンナリーである「Heng Long Leather」を訪れ、滞在制作を行った。Heng Long Leather社のノウハウを学んだ後、彼はそれを使って遊び心ある実験の数々を行い、これまで想像できなかった可能性を職人たちに切り開いた。バロンティーニは、メディアとしてのテキスタイルへの深い理解と布地の印刷、改良、染色プロセスを習得し、マウントされた一連の工芸品、多用途の作品、装飾の要素、完璧な仕上げを施したマニフェスト・オブジェクトから成る、まるでパレードのような作品群を制作したのである。
今回のレジデンスは新型コロナウイルスのパンデミックの最中に実施されたため、ベロンティーニは自身のアプローチを変える必要に迫られた。彼と写真家のアレクサンドル・グーキンガー（Alexandre Guirkinger）は本書のために作品撮影を行うにあたり、彼らの創造性を発揮する必要があった。ふたりは拠点を置くフランスから遠く離れた工場の様子を伝えるため、レザー工房のビデオ撮影を行い、そして旅行制限への対応として、ベロンティーニの人間性やインスピレーションを形成してきたフランスのサンデニ大聖堂で、同シリーズの作品を取り入れたパフォーマンスの写真撮影と屋上でのセッションを行うことで新たなイメージを生み出していった。
