flotsam books（フロットサムブックス）

日本の写真家 奈良原一高（Ikko Narahara）の写真集「生きる歓び: celebration of life」です。

スペインの写真家 Eduardo Nave （エドゥアルド・ネイヴ）の写真集「LIKE」です。
「LIKE」は視覚的生産の生態系における混乱の兆候です。それは、世界そのものを示すよりも、世界で私たちの場所を示すことがより重要であり、描写的表現に対する邪魔されたアプローチの存在を明らかにします。
　ポスト写真時代のイメージの過剰、完全なアクセシビリティと窒息に悩まされた社会では、発見することの興奮を経験することがもはや不可能かどうかという疑問が生じます。

32歳の若さで亡くなってしまった、スウェーデン人ファッションフォトグラファー、Robert Nettarp（ロバート・ネッタープ）の代表作をまとめた作品集。
ファッションの歴史上、90年代は多くの事柄、基準においてひとつの転換期となった。昨今ファッションと関連のあるクリエイティブな職業はもちろんのことだが、とりわけファッション写真家は、批評的かつ自己反映的な表現を用いた上でファッションと関わり始めた。「Not in Fashion」(2010)でSophie von Olfers（ソフィー・フォン・オルファース）が語るように「雑誌を、文化的な対話のための活発な舞台へ」変えるのである。ファッションのシステム（もしくはファッション産業理論）から予想できるステレオタイプ（既成概念）的なファッションイメージを再現するかわりに、独立して執筆をし、ファッションとアート、または他のクリエイティブな分野との間の境界線を曖昧にさせるような活動をした。アーティストのように、ファッション写真家は自分の主観性を受け入れて利用したり、個人的な関心を表現したり、伝統的にプロフェッショナルでないとされてきた部分をテーマとして扱い始めた。作者の写真は、90年代のより主観的で曖昧なファッション写真への変遷を写し出している。

32歳で突然その生涯を終えた時、このスウェーデン人ファッションフォトグラファーの作品は、産業的に多大なる影響を与えたと称えられた。リアリティを変形させ、歪め、壊すためにデジタル技術を用い「完成」という考え方に挑戦した数少ないフォトグラファーの一人。

アメリカの写真家 Jason Nocito（ジェイソン・ノシート）の写真集「End Or : ATM Machine」です。Dashwood Booksから毎月刊行される写真集の第3作目。

Nicola Nunziata（ニコラ・ナンジアータ）の写真集「How What Exists Exists」です。イタリアの先駆的な現代写真家ルイジ・ギッリが主催する1984プロジェクトの220の写真アーカイヴからニコラ・ナンジアータは景観の概念についての多層の本を紹介します。個人と共有経験、記憶、美学の面でオリジナルのイメージを読み直し、形式、材料、表面に書かれたテキスト、色、マーク、サインなど、表現についての特異性を明らかにします。

『69/96』は、2014年にスイスのアーティスト Fredi Fischli（フレディ・フィッシュリ）とNiels Olsen（ニールス・オルセン）、そしてアメリカのキュレーター Bob Nickas（ボブ・ニッカス）によってスイスで開催された同名展覧会を記録した本です。

日本の写真家 中藤毅彦（Takehiko Nakafuji）の写真集「STREET RAMBLER」です。 ニューヨーク（2003-2004）から始まり、ハバナ (2002), モスクワ, サンクトペテルブルク (2004), 上海 (2005), ベルリン (2014), パリ (2011-2013) そして 東京 (2010-2014)と、世界各国で撮られたストリートスナップ。森山大道以降のストリートスナップをしっかりと踏襲しながら、野良犬のようにギラついた視線で彷徨う森山大道と違い、中藤さんの視線は優しく詩的な気がする。写真はザラついた質感に荒い粒子に彩られているが、まるでノイズミュージックの轟音の中の美しい旋律のように優しい視線が垣間見える。個性的な人々や、詩的な街中の写真の中に時折挟まれる都市の俯瞰。それは都市が内包する混沌を受け止める中藤さんの覚悟のようでもあり、ずっとそうであって欲しい郷愁のようでもある。

フランスの出版社 Funny Bones Editionsプロデュースによる、中藤毅彦（Takehiko Nakafuji）の写真集「PARIS」です。モノクロの強いハイコントラストで撮られた現在のパリの街や人々は、光と影の中で時間や時代を失ったかのようです。昼か夜かも曖昧になり、現代かどうかも怪しく感じられる。かつてスイス人であるロバート・不ランクがアメリカ人を捉えたように、日本人、中藤毅彦がパリの光と夜を鋭く写し出している。って思った。かっこいいっす。

中平卓馬（Takuma Nakahira）の写真集「サーキュレーション : 日付、場所、行為」です。1971年、パリ。世界各国から若い芸術家たちが参加したビエンナーレを舞台に、中平卓馬は「表現とは何か」を問う実験的なプロジェクトを敢行する。「日付」と「場所」に限定された現実を無差別に記録し、ただちに再びそれを現実へと「循環」させるその試みは、自身の写真の方法論を初めて具現化するものだった。

中平卓馬（Takuma Nakahira）の写真集「来たるべき言葉のために」の復刻版です。
1970年に刊行された『来たるべき言葉のために』は、1960年代後半から70年代にかけて、従来の映像美学を覆すラディカルな作品によって日本の現代写真に大きな転換をもたらした写真家、中平卓馬の初の写真集として、写真史にその名を残しています。けれども、刊行から40年を経て同書の入手は困難となり、掲載作品のごく一部が繰り返し紹介されるという残念な状況がこれまで続いてきました。これら一連の写真は、1973年のエッセイ「なぜ、植物図鑑か」において作家自らが批判し、乗り越えるべき対象とした作品群ですが、作者がそれを否定した意味を再考するためにも当の作品が提示されることは充分に意義深いことのはずです。現在も写真家として日々活動を継続している中平卓馬の初期写真集をとらえなおし、いまなおアクチュアルな作品として再発見することを企図して、本書をここに再刊いたします。